経営事項審査とは
公共事業の入札に参加するためにはいくつかのハードルがあります。その中の一つが経営事項審査(経審)です。
経営事項審査とは、国、地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする場合には、必ず受けなければならない審査です。公共工事の各発注機関は、競争入札に参加しようとする建設業者についての資格審査を行うこととされています。この資格審査にあたっては、欠格要件に該当しないかを審査したうえで、「客観的事項」と「発注者別評価(主観的事項)」の審査結果を点数化して順位・格付けが行われます。このうちの「客観的事項」にあたる審査が「経営事項審査」です。
経審は、どの機関が行っても結果は同一となるべきもので、この審査が建設業行政と密接な関係にあることから、建設業の許可行政庁が実施することとなります。例えば、岐阜県知事の許可でしたら岐阜県が、大臣許可でしたら国交省(地方整備局)が行うこととなります。
経営事項審査を受けなければ直接請け負うことができないとされる工事(公共工事)とは、次に掲げる発注者が発注する施設又は工作物に関する建設工事で、建設工事1件の請負代金額が、500万円以上(建築一式工事の場合は、1500万円以上)のものとなります。
(1)国
(2)地方公共団体
(3)法人税別表第一に掲げる公共法人(地方公共団体を除く)
(4)上記に準ずるものとして国土交通省令で定める法人
(3)の例として、国立大学法人、JRA、NHKなどです。
(4)の例として、NEXCO、JT、NTTなどです。
経営事項審査では、原則として申請をする日の直前の事業年度終了日(直前の決算日)が審査基準日となります。
審査基準日は直前の事業年度の終了日であるため、申請時に既に新しい審査基準日を迎えている場合、従前の審査基準日では審査を受けることはできません。
経営事項審査の有効期間は、結果通知書(経営事項審査)を受領した後、その経営事項審査の審査基準日から1年7ヶ月の間です。この「1年7ヶ月」の期間は、審査基準日から起算されるものであり、結果通知書を受け取ってからの期間ではありません。
公共工事の受注には、契約締結日の属する1年7ヶ月以内が審査基準日の経営事項審査を受け、その結果通知書の交付を受けていることが必要です。これは、公共工事発注者の入札参加資格の有無とは関係なく、公共工事の受注そのものに対し義務付けられるものです。
従って、毎年公共工事を直接請け負おうとする場合は、有効期間が切れ目なく継続するよう、毎年決算後速やかに経営事項審査を受ける必要があります。
例えば3月決算の場合、経審の有効期間は。翌年の10月です。なので具体的なスケジュールとしては、5月税務申告→6月or7月受審→8月or9月通知書の交付といった感じで期間の途切れがないようにしていかなければならないのです。なお、事業年度が終了したら、年度終了届の提出が必要です。
経営事項審査は、次に掲げる事項について、数値による評価をして行います。(建設業法第27条の23第2項)
・経営規模(X)
・経営状況(Y)
・技術力(Z)
・社会性等(W)
Y点は別途分析機関で分析をしてもらう必要があります。これを「経営状況分析」といいますが、弊所ではこの分析申請の代理もやらせて頂いております。弊所はワイズ公共データシステム㈱への経営状況分析申請の代理申請者として登録されております。
Y点は、基本的には長期的な取組で点数アップを図るのが通常ですが、決算期直前にする取組でも点数アップが可能です。弊所ではこのコンサルティングもさせて頂いております。詳しくはご相談ください。