内容証明を使う主なシチュエーション
メリットにもつながる所がありますが、内容証明を出したほうが良いと思われる場面はこんなことが考えられます。
何度も催促しているのに応じないとき等に、裁判や弁護士の依頼をする前のステップとして内容証明を使って催告します。時効が差し迫っているときには、前述のとおり時効の完成猶予の効果もありますので、積極的に利用すべきです。
契約解除や取消は、原則的には契約成立時に拘束力が発生するので、一方的な取消や解除はできませんが、例外的に一方的に取消や解除ができることがあります。その意思表示を内容証明を使うことによって相手方に認識させることができます。
時効が完成するには、取得時効でも消滅時効でもその時効の完成を主張することが必要です。これを「時効の援用」といいます。当事者が時効を援用しない限り時効の効力は発生しません。
そこで、時効を援用したいときは、時効の援用通知書を内容証明で送付するというのが一般的です。
債権譲渡をしたときは、譲渡人は債権を譲渡した旨を債務者に通知(または債務者が承諾)する必要があります。その時に内容証明が使われます。
特定商取引法(特商法)に定められた一定の商形態に対しては、概要書面を受け取った日から数えて8日以内(連鎖販売取引は20日以内)であれば、書面又は電磁的記録を事業者に送ることで無条件で契約の申込みの撤回又は解除ができます。これに内容証明が使われます。
書面は発信主義なので、発信日が確定される内容証明が使われます。クーリングオフについては別に詳しくお話ししようと思います。
このほかにも、内容証明を使えば問題が早期に解決する場面は多くあります。内容証明を出すことなく解決できればそれに越したことはありません。穏便に解決するレベルを超えてしまったが、大きく拗れる前のストッパーとしての役割を果たしているのが内容証明ではないかと考えます。